TINGO 「GX10(Friday)」 レビュー
Aliexpressのセラーである「Easy Earphones & Headphones Co'ltd」からモニター提供してもらったものです。執筆時、26ドルで販売中。
今回紹介するイヤホンを提供してくれた「Easy Earphones & Headphones Co'ltd」は私も何度か利用していますが、発送も早く大体1週間~2週間程度で届きます。これはAliexpressの中では最速を誇っても良いのではと思います。また商品の初期不良に当たった時も、すぐさま交換品を送ってくれました。
Aliexpressは対応が悪いお店も多く、届くのに1ヶ月かかったり、初期不良を訴えても返金や交換に応じないこともあるので、もし輸入に慣れていない人は「Easy Earphones & Headphones Co'ltd」を利用することをオススメしたいです♪
Aliexpress 最安値・最良セラー Easy Earphones & Headphones 26ドル
使用DAP(デジタルオーディオプレーヤー)はiphone4sです。なお、リファレンス機(基準となるもの)としてiphoneなどに付属しているイヤホンと比較しながら評価をします。
なお、音の方はエージング(音楽をかけること)に100時間かけたあとに評価をしてます。★は5段階評価です。☆は星半分という意味で使ってます。
[デザイン]★★★★
パッケージはなく、そのままマカロン型のケースにすべて収まるようになっていました。パチモノやDIY系の中華イヤホンでは結構こういうものが多いです。
本体のデザインは、大変面白い形をしていますね。Final(旧Final Audio Design)のpianoforte VIII,XI,Xシリーズにそっくりです。私は実物を一度しか見たことは無いのですが、本物と同等の形をしていると思います。本物を持っているヤンネさん(http://blog.livedoor.jp/headphone_metal)はツイッターで少し小さいと言っていましたね。
なお、本物と違ってこちらはノズルがネジ式で取り替えられるようになっていて、デフォルトで付いているのは本物と同じくイヤピなしで装着するもの、付属品で付いているのはイヤピありで装着するものになってます。
ケーブルの方は、本物と同じく表面が布になっており、つるつるしていて絡まることはないと思います。
同梱物はイヤホン本体、マカロン型の入れ物、シリコン製イヤーピースの口径が小さいもの(M)と大きい物(S,M,L)、イヤピが付けられるノズルが2種類が入っていました。ただ、イヤーピースの口径が大きいもの(M)が一つなく、口径の小さいもの(M)が入っていました・・・
[音のバランス]
●イヤピなし
低音(ベース、ドラムバスなど)
★★
中音(ボーカル、ピアノなど主要な音)
★★★★★
高音(シンバル、ハイハットなど)
★★★☆
●イヤピあり
低音(ベース、ドラムバスなど)
★★★
中音(ボーカル、ピアノなど主要な音)
★★★★
高音(シンバル、ハイハットなど)
★★★
[音の評価]
最初に言っておきます。このイヤホンは明らかに一般の人には向いていない代物ですwまず合わない音楽にはめっきり合わないし、合う音楽にはものすごく合うという両極端なイヤホンとなってます。
まずはイヤピなしの状態での評価です。
イヤピなし ★★★★☆
音の傾向は中音に特化したカマボコで、音場と楽器の響きがとても素晴らしいものとなってます。一言でこのイヤホンを表すなら「ボーカルと楽器の響きを極限までに感じるためのイヤホン」です。ボーカルの息遣いやビブラートの響き、楽器がホールに響き渡る余韻を生で直接受けているかのような感じです。まさにクラシックにはうってつけのイヤホンだと感じました。
音の解像度は曲によって異なりますが、合う曲にはそれなりに高く、分離も良いと感じます。少なくとも26ドルの解像度と分離ではないですねw
このイヤホンに合いそうな曲はクラシックやインストゥルメンタル系、女性ボーカルだと思いました。
ちなみにヤンネさんによると、「音のゆったり感とかは少しピアノフォルテに似てるのが何とも腹立たしいw (Friday GX10 レビュー記事)」と言っていたので、本物と似ている部分もあるそうです。
以下に筆者が合いそうだなと思った曲の印象を書きます。
ピアノ協奏曲 第2番/ラフマニノフ クラシック
バイオリンやピアノの楽器の響きが耳元までやってきて、本当にコンサートホールで聞いているような気持ちにさせてくれる。特に第一楽章の後半盛り上がる所の高音部分の響きがとても素晴らしい。この曲のためにこのイヤホンがあると思わせてくれる。
桜花抄/天門 インストゥルメンタル、ピアノ
ピアノとマーク・トゥリー(金の棒が沢山並べられている楽器)が主に使われたシンプルな音楽だが、ピアノの余韻とマーク・トゥリーのキラキラした音がとても生生しく聞こえて、まるで目の前でその音楽を奏でてくれているような印象を受ける。
Kick it Out/BOOM BOOM SATELLTES 男性ボーカル、ロック、ビックビート
全体的に音楽がライブ感に満ちており、シンバルの余韻がとても心地よい。ドラムのタム音が苦手な印象にあるFridayだが、この曲に関してはタム音がしっかりと聞こえる印象。
アレルヤ/Kalafina 女性ボーカル、コーラス、シンフォニー系
女性ボーカルの余韻や響きがとても気持ち良い。サビ部分は声が高くなり、少し音が潰れてしまう所があるものの、よりボーカルの響きを感じることが出来る。
これを見ると結構合う曲は多いですね。そして、なんだ良いイヤホンじゃないかと思う人も多いですが、ここが落とし穴。最初に言ったように曲によっては合わないものが多く存在します。例えば、
supercell/My Dearest 女性ボーカル、ロック
立ち上がりのボーカルとピアノの部分やは良いが、その後のドラムのタムがドコドコと鳴っている部分や音数が増える部分は籠って聞こえる。
凛として時雨/Enigmatic Feeling 男女混合ボーカル、ロック
間奏のボーカルとギターのみの部分は良いが、それ以外の音数が増えるところでは全体的に籠った音になる。あと、ドラムのタムが全然聞こえない。これは凛として時雨の曲に大体当てはまる。
合う曲にもあったロック系統の曲が、なぜか合わなくなってしまうというなんとも不思議なイヤホンですね・・・なぜ合わないのかはちょっと分からないので、これから聴きこんで研究してみたいと思います。
イヤピあり ★★★☆
音の傾向はカマボコ系なのは変わりないですが、イヤピになったことで低音と音量が増え、音場が狭まり、中高音も低音によってマスクされてしまった印象をもちます。イヤピなしで素晴らしいと感じた空間表現や中高音の響きが、すっかり低音によって曇りぎみにさせられていますね・・・しかし、イヤピで密閉性が保たれたことによって音が共鳴するようになり、これはこれで癖になる音だと感じましたw一般的にはダメな音なんだろうなと思うのですが、魅力的な音だと思います。一言でこのイヤホンを表すなら「音が共鳴し合い、まるで鐘の中で音楽を聞いている気持ちが味わえるイヤホン」です。。
音の解像度はイヤピなしと比べると悪くなり、分離は変わらないと感じます。
このイヤホンに合いそうな曲は金属系の楽器がふんだんに使われた曲だと思います。吹奏楽など良いと思いました。
[その他]
装着感ですが、このイヤホンは金属製で普通のイヤホンと比べるととても重いです・・・そしてイヤピなしで装着するときは、耳の奥に本体を置く感じで装着します。重いからすぐ外れそうな気もしますけど、意外にも外れないですね。長時間付けていてもあまり疲れないので、とても素晴らしいと思いました♪
コストパフォーマンスについては、曲にもよりますが合う曲にはとても高いと感じました。26ドルでこの音を感じるイヤホンはほぼ無いと思いましたね・・・
[総合評価]★★★★☆
総合評価として、女性ボーカルやクラシック、インストゥルメンタル系のBGMなどをよく聞く人には是非オススメしたい一品ですね。ボーカルや楽器の響きや空間表現を極限までに極めた音を堪能したい方は是非とも手にとって貰えたらと思います。
本当は★5あげたいのですが、エージングに100時間かかることや、合わない曲もあったり、イヤピありでは良い面が潰れてしまうなどと癖の強い面もあるので、4.5としました。
しかし、このイヤホンの篭っている音も聞いている不思議と嫌になれない部分もあるので本当に面白いイヤホンだと思いました。篭っている≠ダメなイヤホンではないということを教えてくれたイヤホンです。
このイヤホンの魅力はもっとありそうなので、もしかしたらレビューもう一回するかもしれません( ゚д゚)あ、GX10とは比較レビューを近々上げる予定です。お楽しみに♪
今のイヤホンの音よりも面白い音を聞きたい方、買ってみませんか?w(・∀・)